2016年08月25日
リー・エンフィールドNo.4Mk1風VSR

対戦車ライフルを作った時の記事で、「いずれカルカノライフルとかM1903とかリー・エンフィールドとか三八式歩兵銃を作りたい」というようなことを書きました。
さて、M1903(っぽいもの)は作りましたから、残りは3つ。
私は有言実行できる人間になりたいので、他の3つも作らねばなりません。
しかし、カルカノ作ってもイタリア軍装備なんて持ってないし、旧日本軍装備なんてもっと持ってないです。
しかしイギリス軍ならなんとかなる!

こんな格好をしちゃあいますが、レッドコートだって持ってますし、大英帝国のほうが好きです。
13植民地の青服より女王陛下のレッドコート部隊の方が100倍カッコいいに決まってます。
生涯学習のユーキャン社だって大英帝国が大好きに違いありません。
CMソングは我らが「The British Grenadiers」ですからね。
え?今は違うって?なんてこった

そういうわけで、大英帝国のライフルを作りましょう。
今回のテーマはリー・エンフィールドNo.4 Mk1です。
着脱式のマガジンを備えた、当時としては先進的なボルトアクション・ライフルです。
まあ、マガジンキャッチを押すのにとんでもない力が必要だそうで、マガジンは滅多に外さなかったようですが。
ハートマン軍曹の中の人曰く、イギリス人に愛されているものベスト3のうちの一つだそうで。
ちなみに他の2つは紅茶とフィッシュアンドチップス。
前回のM1903を作る際、制作過程を友人に見せたのですが、「リー・エンフィールドか?」という意見を頂戴し、「そっちも行けるんじゃね?」という悪い病気が始まってしまい、制作することに。
今回の材料は、以前、対戦車ライフルに改造していたVSRをバラして使用。
迫力はあるのですが、邪魔だし、長すぎて車に積めないし、仕方ないね。

リー・エンフィールドもM1903同様「握り」の無いストックなので、握り部分を切り落とします。
しかし、この銃のストックはリー・メトフォード小銃からの系譜で、特徴的な形をしています。
この形を再現するため、切断方法をM1903とは変えています。
ちなみにこのストック、No.1からNo.4ライフルの全て、No.5ライフル(カービン仕様)、L42ライフル(狙撃銃仕様)、7.62㎜NATO弾対応モデル、果ては特殊作戦用の「拳銃弾を使用する消音ボルトアクションカービン」という変態仕様に至るまで、全部この形状をしています。
微妙に手間がかかりそうなので、戦時生産型は簡略化されてもよさそうなものですが、恐るべしイギリスの職人たち。

前作同様、ストックは木材を削り出して延長し、ハンドガードをパテで製作。
アウターバレルは先端部分を細身のアルミパイプに交換。
ああ、仰らないで。ハンドガードはパテ。でもウッドなんて(ry

リー・エンフィールドは着脱式マガジンが特徴だということは述べました。
なのでマガジン部分を製作してストックへ接着。
木材で厚みを出して、外側は0.5㎜プラ板を2枚貼り付けています。
このマガジンには.303ブリティッシュ弾が10発装填できました。
当時、大抵の国の主力小銃の装弾数が5発。M1ガーランドでも8発ということを考えると、10発というのはかなりハイキャパシティだという事が分かります。
しかも.303ブリティッシュ弾はリムドカートリッジですから、もしリムレスカートリッジで設計されていれば、さらに装弾数は増えたでしょう。
あっ、ちなみに、リー・エンフィールドの正式名称であるSMLE、つまりショート・マガジン・リー・エンフィールドの「ショート・マガジン」っていうのは、マガジンが短いっていう意味ではありません。
SMLEの前身である「マガジン・リー・エンフィールド」っていう銃があるのですが、それのショートバージョンだという意味です。
Gew98に対するKar98のような関係ですね。
えっ?分からないって?M16に対するM4みたいなもんだよ!

木目調の塗装をして仕上げたものがこちら。
イギリス軍のライフルの銃床は赤みが強いイメージがあるので、今回は赤を強めにしてみました。
さて、前回に引き続き大事なことなので二回言いますが、あくまでも「風」ですので。
もしリー・エンフィールドに見えないという方がいらっしゃいましたら、重篤なカテキン不足の疑いがあります。
紅茶を摂取のうえ、速やかにお近くの医療機関で診察を受けて下さい。
それでも症状が改善しない場合は、フィッシュアンドチップスもしくはウナギのゼリー寄せを十分な量摂取することをお勧めします。

ボルト周りです。
前作に引き続き、とりあえずハンドルは丸く削っておきました。
エンドキャップは少しでも雰囲気を出そうと細長く削ってみましたが、実銃に比べるとまだまだ分厚いですね。
実銃はここがコッキングピースになっていて、何らかのトラブルで不発だった場合でも、コッキングピースを引くことによって再打撃が可能になります。
リー・エンフィールドは、ハンドルの起こし角が少なく、ボルトストロークも短いため、他のライフルに比べて素早い射撃が可能だったそうです。
前述のマガジン容量が10発だということもあり、熟練者になると毎分40発という、セミオートライフル並みの速射も可能だったと言います。
第一次大戦では、その連射力を生かしてボルトアクションライフルで制圧射撃を行っていたとか。
そして付いたあだ名は「人力自動小銃」。
普段は変態兵器ばっかり作ってるのに、たまーに規格外的なオーパーツを生み出してしまうのがなんとも英国流。
エアガン的にも、東京マルイの新モデルであるM40A5はボルトストロークが短い(100㎜→68㎜へ)と聞きますから、機関部を交換できるのなら人力自動小銃も夢じゃないですよ。

フロントサイト部分です。
イギリスのライフルの特徴として、サイトのガード部分がとんでもなく分厚いというのが挙げられます。
しかも、フロントサイトはもちろん、リアサイトにまでガードがあるバリエーションもあります。
ドイツやソビエトは薄っぺらい鉄板1枚、日本は申し訳程度、アメリカに至ってはノーガードだというのに・・・。

レシーバー周り。
リアサイトはそれらしく製作。
本来なら、倒した状態では近距離用の大きめのピープサイト、起こした状態では精密射撃用のラダーサイトになるのですが、今回は可動は省略。
レシーバー付近のストックはモールドを彫って別パーツ感を強調して黒塗装。
実はこの銃、前後でストックが繋がっていないんですね。

で、分解はやっぱりノーマル同様の上下2分割。

そしてやっぱり普通のストックにも装着できます。
というかVSRのストックまだ持ってたんだな・・・。
ということで、手持ちのVSRの在庫を使い切ってしまったので、VSR改造工廠は一旦終了です。
それにしても、最近「VSRをマスケット風にする」というような検索でいらっしゃる方が居るようです。
酔狂な人も居るもんですね!(人のことは言えない
しかし、マスケットとボルトアクションライフルでは撃発系統がまるで違うので、何の装備に合わせるかは存じませんが、シャスポー銃やドライゼ銃といった、単発のボルトアクション式小銃を目指したほうが宜しいかと思います。
特にシャスポー銃はスムース・ボアなので、マスケットと言えるでしょう。
戦列歩兵道とかアサシンクリードとかパイレーツ・オブ・カリビアンとかブラック・ラグーンとかやりたいなら素直にこっちにして下さい。値段分の価値はありますから!

もし、こういうのを指しているなら、私では力になれそうもないんだ、すまない・・・。
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いいですねぇ、旋盤!フライス盤も欲しいです。
いや、3Dプリンターがあれば・・・。
>マツバチョフ 様
これ以上なにを作れと言うんですか
モシンナガンでいいじゃないですか
もし作るなら台車と盾は必須ですね。